インターネット性善説ドラゴンのハイパー自己満足

好奇心の大義名分にさせて下さい。

ディズニーランドを古地図で楽しむ

 

初めに

 

陽気なる逃亡者たる皆さん、こんにちは。

インターネット性善説ドラゴンと申します。


突然ですが、皆さんは『古地図』をご存じでしょうか。

エレファントカシマシのボーカル、宮本浩次さん

読んで字の如く古い地図のことを指すのですが、

古地図を趣味とする私の好きなアーティストの宮本浩次さんはその楽しみ方の1つに

『古地図を見ながら現在の場所を散歩する』というのを挙げていました。

 

素晴らしい趣味だと感銘を受け、私も是非実行してみようと試みたものの、高尚で敷居が高いイメージがぬぐい切れず、中々初めの一歩が踏み出せだせません。

 

そこで、

『敷居が高くなく』『歴史があり』『散歩ができて』『私でも楽しめそうな所』

この条件を元に考えに考え抜いた結果、

 

ディズニーランドならいけるのではないか、との考えに至りました。

 

ディズニーランドは1983年に開園し、今年で40周年を迎える長い歴史を持つテーマパーク。

 

流石に江戸など、時代そのものとは比べモノにもなりませんが、

十二分に長い歴史を持ち合わせており、40年前の開園当時の地図は古地図といってもおかしくない古さを有しています。

 

また、大人気のテーマパークでもあるため、40年に渡って幾度となくエリアやアトラクション、ショップの改築、新設が繰り返されており、地図を見ながら遍歴に思いをはせるのにもピッタリ。

さらに、館内の敷地面積は東京ドーム11個分。パーク1周は6キロもあって散歩するのにも十分。

 

あくまで私のような本質を捉えず上澄みを啜りたい人間限定になりますが、変に緊張することもなく足を運べる良い場所に感じました。

 

古地図で散歩

 

まだ何も知らないインターネット性善説ドラゴンさん(20)

ということで、思い立ったが吉日

さっそく散歩をしていきます。

今回使用する『古地図』

今回使用する古地図はコチラ。

1983年発売の開園した年に発売したもので、メルカリで2000円でした。ミッキーの抑揚のない目が40年の歴史を感じさせてくれますね。

 

このように後ろに大きな地図が付いており、これを情報源に館内を散歩します。

 

また、

『今回の趣旨はガイドブックと古地図散歩で得られた情報のみで歴史の推移を考察すること』とするため、

ネットや現代のディズニーランドガイドブックの情報は一切覗かないことにします。

上の地図を簡易的に描きなおしたモノ

ひとまずは手前に位置するエリアのワールドバザールから時計周りに歩いていくことに。

古地図を見ながら館内を歩き

たまに休憩し

歩き

アトラクションも楽しみ

古地図で今と昔を見比べてながらとにかく歩いて

ファンタジーランドまでたどり着いたのですが、ここまでの率直な感想としては

 

ほとんど古地図の内容と変化がありませんでした。

そんなことあります? 40年前のガイドブックの内容とほぼ変わらないんですよ?

 

細かな違いはあれど、40年前のガイドブックで紹介されている『そのまま』を楽しめてしまっています。

その『そのまま』さは、東京23区を見ながら首都高沿いを散歩するときの快適さにも匹敵するレベル。

www.amazon.co.jp

 

道や建物の外装、はたまた雰囲気までもがガイドブックに載っている通りで、

「タイムスリップでもしたのか……?」

と疑ってしまうくらいです。現に疑っていますし。

変化がなさ過ぎて再確認している私

そこで冷静になって立ち止まり、考えを巡らせてみたところ、

確かに、

ディズニーランドの仕組み上、40年間で半分のエリアに微々たる変化しかなくてもおかしくはない、という結論に至りました。

 

あくまでその場での考察ですが、

その結論に至ったワケは『エリアテーマ』にあります。

40年前のガイドマップによると、

ディズニーランドにはそれぞれ独立したテーマを持った5つのエリアが存在するそうです。

 

例えば、ガイドブックの表記によると

アドベンチャーランドのテーマは冒険とロマンの世界──スリルと興奮で大満足うけあいの世界

ウエスタンランドのテーマは『西部開拓時代を演出した世界』

ファンタジーランドのテーマは『いまよみがえるおとぎの世界』

と、あります。

 

私が前半巡ったこの3つのエリアは、冒険西部開拓おとぎ話といった

『新たに情報が追加されることがないコンテンツ』をテーマにしているため、細かいところの改装、手入れだけで事足り、新たに要素が加わる必要がない理由で、40年間の変化が少なかったと考えることができます。

 

古地図を持つだけで普段全く考えることのない、

街の『変化の理由』なんてものを柄にもなく考えてしまいました。古地図の魅力の一端を垣間見ましたね。

 

そして、この3つのエリアの変化が少ないワケを

『エリアテーマが不変だから』だと仮定し、アトラクション、ショップが開園当時に

そのエリアテーマに沿って作られたモノだとするならば、

今まで立ち会ってきた微細な変化の理由も見えてくるかもしれません。

 

立ち会った変化の例を挙げて考えてみます。

 

① アイスクリームパーラー

 

店名は『アイスクリームパーラー』だったハズが、
『SWEETHEART CAFE』に変わっている

まずはこの、ワールドバザール内に構えるクレープ、サンデー類を提供する

『アイスクリームパーラー』

店の位置

こちらの店名は、ガイドブックではクレープ、サンデー類を提供する『アイスクリームパーラー』と記載されていたのですが、

  • 外装だけ変わらないまま店名が『SWEETHEART CAFE』へと変わる
  • 中のメイン商品がパンに変わる

という2つの変化が見られました。

 

このスイーツ店がパンメインのカフェに変わった理由としてはおそらく、

40年前時点で同エリアに『アイスクリームコーン』という、店名からして提供内容ダダ被りの店があったからだと考えられます。

でもパンは笑っちゃうほどおいしい

ちなみに、帰り際に確認したところ『アイスクリームコーン』は何も変わらずそのまま残っていました。

つまり、……そういうことです。

 

② 魅惑のチキルーム

 

続いては、アドベンチャーランド内の鳥や花たちのミュージカル=ショーをウリにするアトラクションの『魅惑のチキルーム』

店の位置

40年前のアトラクション名はシンプルに『魅惑のチキルーム』だけですが、

現在はチキルームの表記の下に『スティッチ・プレゼンツ アロハ・エ・コモ・マイ!』

と続いているのが確認できます。なんなら長さ的に乗っ取られているまでありますね。

改装前のモノを継続して使用していると思われる待ち時間看板

これは純度100%の私の感想になりますが、

同エリアには非常に人気が高い『カリブの海賊』や『ジャングルクルーズ』などのアトラクションがあり、流石にチキルームの鳥と花の歌だけじゃ張り合えなくなったため、人気キャラクターであるスティッチをメインに起用することにより人気を保ったと考えられます。

 

ちなみに、ミュージカル=ショーは素晴らしいモノで、おそらくオブジェクトごとにスピーカーが付いており、全身で素晴らしい音楽を堪能することができました。あの鳥さん達、あまりにも歌が上手すぎる。

開園前に待合室でワクワクする私

そして、肝心のスティッチ要素の重要性についてですが、

開園中に子供が母親に「スティッチいつ出るの?」と尋ねる声がしきりに聞こえてきたので、生存戦略としてスティッチ要素を加えたという考察は間違いではないように感じました。私もスティッチ好きですし、きっとそう。

 

 デビークロケットのカヌー探検

 

そして、見ずらいというかもはや見えませんが、ウエスタンランド内のカヌーアトラクション、

『デビークロケットのカヌー探検』ビーバーブラザーズのカヌー探検に変わっていました。

これはアトラクション名の通り、集団でカヌーを漕ぐといったシンプルなアトラクションなのですが、

店の位置

これに関しては内容が「一定人数でカヌーを漕ぐ」だけなので、変わった意味が本当に考えられません。本当になんでなんだろう……。

 

 ミッキーマウス=レビュー

 

最後に、ファンタジーランド内のレビュー、

ミッキーマウス=レビュー』『フィルハーマジック』と変わっていました。

店の位置

このアトラクションはかなり大規模な改変が行われていました。

 

ガイドブックにはミッキーをはじめとする個性豊かなディズニーキャラクターの人形が音楽を奏でている様子が紹介されていたのですが、

配布される3Dメガネ

現代ではこちらの簡素な3Dメガネを着用し、

ごった返す開園前の待合室

ここの奥にある巨大なスクリーンがある劇場にて放映される映像を鑑賞し、音楽と物語を楽しむカタチに変わっていました。現代技術を上手いこと使っていて時代の移ろいを感じますね。

 

この改革は、元々あった『音楽』というテーマを現代技術を用いてより魅力的に表現するために行ったモノだと考えられます。

これらの例から総合して考えた結果、

『エリアテーマが不変で新たに要素を追加する必要がないので、初めからテーマに沿って作られたアトラクションやショップは壊して新たに作る必要もなく、

時代のニーズに合わせて柔軟に現代の技術、価値観でアップデートさせるだけで良いため変化が少ないのではないか』

と考えられました。

 

合ってるか間違っているかは定かでは無すぎますが、

古地図が手元にあると普段とは全く違う視点でモノが見れてすんごい楽しいことは分かりました。

 

そして、

ガイドマップによると、これから向かう目的地であるトゥモローランドのエリアテーマは、

『未来が体験できる世界』とあります。

 

これまでの3つのエリアと対をなすように、

『これから新しく要素が追加されやすいコンテンツ』がエリアテーマになっていますね。

テンション上がってきた

これは当初予想した通り、激しい変化が期待できるのではないでしょうか?

なにより今のエリアテーマの考察が当たっているかもしれない証拠にもなりえるかもしれません。そうだといいな。そうであってほしい。

 

いざ、トゥモローランドへと歩みを進めます。

進めたかったのですが……

古地図に載っていない領域外の場所に出ました。

ここ、どこでしょうか?

現在地

40年前の古地図上で表すと、私の現在地はここということになります。

 

とりあえず、情報をかき集めるためにガイドブックを必死になって読み漁るも、

……

……

……?

 

この通りです。

古地図散歩としてこの状況は面白いのでしょうが、当事者になったらそこそこ焦りますねこれ。

 

こんなカオで明らかに場違いなガイドブックを読み漁っている私を見かねたのか、近くで掃除をしていたキャストのお姉さんが話しかけてくれ、お話を伺ったところ、

今はこうなってる

ここはなんと、

トゥーンタウンという1996年に新設されたエリアらしく、

目的地であったトゥモローランドは現在この下にあるそうです。

ゑ?

 

おったまげです。激しい変化があるとは予想していましたが、まさかエリア自体が増えているとは。どんでん返しがある映画の終盤みたいで楽しくなってきましたね。

 

ここまでの衝撃は名探偵コナン  異次元の狙撃手(スナイパー)』を上映開始13分後に隣の友達にネタバレされた以来ですが、せっかくの古地図散歩なので切り替えていきます。

 

古地図が使えない状況ではありますが、

現時点の情報と考察から、そのエリアの核であるエリアテーマを考えていきましょう。

トゥーンタウンの風景

全体的にポップな印象のエリアで、今まで見てきた中だとファンタジーランドに近い。

エリアに点在するキャラクターの家

また、特徴的なのがエリア名にタウン(町)とあるからか、

エリア内の集合住宅のような場所にキャラクターの家や店が並んでいます。

上の私のように、キャラクターの家の前で写真を撮っている来場客が非常に多く、

まるでインターネットの治安悪すぎる文化のようで実家のような安心感を覚えました。どこにでも安らぎはあるモノですね。

さらに南下すれば見上げる程大きなハリボテの山々や、木造の街並みが顔を出します。

 

以上の情報からここのエリアテーマは、

『キャラクターたちが住む町』という要素がメインになったモノなのではないかと考えました。

 

そして、最後のエリアであるトゥモローランド

『未来が体験できる世界』というエリアテーマから、エリア内の変化が多いのではないかと予想しましたが、

 

結論から言うと、大正解でした。

 

私が確認した大きな変化を2つ程ご紹介します。

 

① エターナル=シー

 

まずは、海をテーマにしたアトラクションの『エターナル=シー』

 

『様々な海の姿を、200度のマルチスクリーンで紹介します。社会科と生物の時間がよみがえるね

とガイドブックで説明されているのですが、

後半の触れずらい記述はともかく、とても興味をそそられる内容であり、尚且つ日本独自のアトラクションとあります。

 

このように非常に期待できるアトラクションだったのですが、

やっぱりか、というカオ

見ての通り、

『トレジャーコメット』という、スティッチやベイマックスのグッズをメインに販売するショップに変貌を遂げていますね。

 

見るに、アップデートされこのショップになったとは考え難い状況です。

 

エリアテーマの性質や客入りから考えて、無くなるのは仕方のないことだとは思いますがしかし、スティッチ、お前魅惑のチキルームだけじゃ満足できなかったのか。

 

② ミート=ザ=ワールド

 

続いての『ミート=ザ=ワールド』は、なんとディズニーランド最大のアトラクションと銘打たれており、その収容人数は800人。

ディズニーランドで唯一無料で楽しめ、日本のおいたちと世界との繋がりを歌とアニメーションと舞台でで紹介するアトラクションだそうです。

 

またこれも日本独自のアトラクションであり、このガイドブックの説明からも相当気合を入れて制作したことが伺えます。

流石に動揺する私

しかし、どうやら現実は非情なようで、当時のディズニーランドの目玉アトラクションは、モンスターズ・インク・カンパニーストア』というモンスターズインクのグッズストアに変わっていました。

 

当時の主力アトラクションの跡地にことごとくアトラクションですらなくグッズストアが建っていくのは流石に諸行無常を感じますね。

 

このようにエリアテーマの性質のせいか、やりすぎと言える程に時代を移ろいを感じさせてくるトゥモローランドでした。

 

終わりに

 

古地図散歩、どうでしょうか皆さん?

 

私の感想としては、

まず一貫して『終始ディズニーランドに来たカンジがない』これに尽きます。

なんというか、同じ場所でも全く違う場所にいるあの雰囲気、長期旅行から家に帰って来たときの「アレ? 私の家ってこんな雰囲気だっけ?」となるあの現象に似ていますね。

 

そして、古地図散歩自体の感想ですが、

ただ通り過ぎるだけの地点を、昔の痕跡を元に歴史を考えながら歩くという行為は本当に楽しいですね。それが細部が凝られているディズニーランドならなおさらです。

きっと普段歩く場所でやったら更に楽しいのでしょうね。是非またやりたいです。

 

……そういえば、結局ウエスタンランド『デビークロケットのカヌー探検』がビーバーブラザーズのカヌー探検に変わった理由は何だったのでしょうね。

では、私は大学の課題があるのでここらで失礼します。

 

 

 

……

 

 

 

 

 

 

 

……

 

 

 

 

 

 

 

……

 

 

 

 

「最後にネットを解禁して答え合わせがてら、昔と今の地図を見比べてみるか……」

「……クリッターカントリーって何!? 新しくできたエリアってトゥーンタウンだけじゃなかったの!?」

「じゃあ私はクリッターカントリーウエスタンランドの一部だと思って歩いてたってコト……?」

「カヌーのあるエリアってウエスタンランドじゃなくて、クリッターカントリーだったんだ。……ん? てことはまさか」

「……」

クリッターカントリーができたついでにアトラクション名が変わったってこと?」

「それが現地で分かるか!!!!!!!!」