始めに
山登りがしたィいいいいいいいいいい!!!
皆さんいかがお過ごしでしょうか。
山登りがしたいことで巷を騒がせている、インターネット性善説ドラゴンと申す者です。
先日、友人に薦められ『ヤマノススメ』というアニメを見ました。
驚きました、とんでもない面白さなんですもん。そんなモノを見てしまえば、視聴後は山登り以外考えられない脳になってしまうのは必然。
山へ登ろう!と意気込み準備を始めたのですが、
一つ致命的な見落としに気付きました。
私、弱いんでした。
こんな脆弱なガキが身の程を弁えずに初めからデッケェ山は厳しいでしょう。
なので、なるべく私のような雑魚でも、
①軽々登れて、②都内で、③登山にあんまり時間がかからない立地が理想。
舐め腐ってる部屋探しのような様相を呈してきて今からすんごい不安です。本当にこの条件を全て満たす、全オタクを救ってくれるような山があるのでしょうか。
たんまりありました。
2か所に絞って登っていきます。
西郷山
1つ目は、西郷山公園。
なんとあのオシャレな代官山に位置し、しかも割と駅からも近い。先ほど挙げた条件を十分に満たしてくれている山。標高は36メートル。
日本最大の山である富士山の約104分の1です。とんでもなく小さいですね。
歴史としては、
この山は昔、西郷隆盛の弟が兄を迎えるために購入した大名庭園の一部であったようです。しかし、兄は西南戦争で敗れ自害したためにこの地に迎えられることはありませんでした。そして、明治13年に弟が別邸を購入した後に、この一帯のことを『西郷山』と呼ぶようになったのが始まりのようです。
想像の15倍は壮大な歴史ですね。
もしかして知らないだけで私の周りの山や建物の歴史ってこんなデカいモンなのかな。
それじゃあ説明も終えたので、さっそく登っていきます!!
待ってろよ!!山頂ォ!!!
着きました!!!
やったああああああああああああああああああ!!!!!!!!
皆さん、体感コレです。嘘偽りなく上の流れのように、
思わず『早すぎるだろ……!?』と正気を疑う程スピード感のある登山でした。
2分かからないくらいです。
特に私が早く登ったワケでもなく、
①山頂への階段の横にある、もう1つの登山道に繋がる道を眺めて
②「流石にまだ奥に階段伸びてるよな……?」と思わせる程短い階段を登ったら
③山頂が顔を覗かせたので、半分素のリアクションで山頂の中心へと向かい
④登山、完了。
この4ステップで、2分です。
私の中の『山』の概念が一旦裏返って再編成される程度には良い登山でした。
山頂には、
展望が良く、「もう少し晴れてたらなァ」と思わせられる展望台や
同所に休めるベンチ
この『公園』の歴史が刻まれた石碑などが散見されました。
大抵こういうところってありますよね、石碑。
また、
登った方とは別の登山道を少し下ると
展望台の下に位置する、ゆるやかな登山道が見つかり
なぜか水が確認できなかった人口の滝や
近くにそびえるビルが見えたりしました。すんごい都会を感じます。
以上が、代官山にそびえる標高36メートルの山、『西郷山』です。
駅から近くて、登山時間もインスタントラーメンができるより早い。でもしっかりと「山」を感じられる良い所でした。
箱根山
続いての2つ目は、戸山公園(箱根山)。
次なる山である箱根山は、新宿区の都立公園である戸山公園内に位置します。
敷地が広いためにアクセスがしやすいのも特徴の1つ。JRなら新宿駅や新大久保駅、高田馬場駅。地下鉄なら早稲田駅や東新宿駅、西早稲田駅から向かえます。
そして肝心の標高は44.6メートル。富士山の約84分の1の大きさです。
先程の西郷山より8.6メートル程高いですが、完全などんぐりの背比べです。ほぼ変わりませんね。
というワケで、いざ登山です。西早稲田駅方面から入園し、
黄ばみの究極に達した園内地図を頭に入れたらズンズンと進んでいきます。
進んで
進んで
「着いたか!?」と勘違いしつつも進んで
「階段あるからもう山かな?」と思いつつ進んで
迷いつつも歩みを止めず進んで
進んで
進んで
「なんかおかしくね?」と感じつつ進み
進んで……
進んで……??
この時点でようやく気づけました。
ここ、広すぎますわ。
入園する場所によっては登山道までの道が度し難い程遠くなる獰猛な広さです。
脆弱がカンタンに登れる山に登れる企画なのに山に登る前に果てますってコレ。
あまりに異常な広さだったので、歴史を調べてみたところ、
かつて戸山公園は尾張徳川家の『戸山荘』という大名庭園があった場所だったそうで、なんとその広さは東京ドーム9個分相当。そりゃあ今でも広いワケです。
大名たちが競うように庭園を造った江戸時代当時でも戸山荘は特別だったそうで、箱根山の周りには東海道五十三次の宿屋や酒場、薬屋など、計36軒の店が立ち並んで、庭園内だけで使用できる通貨まで用意されていたみたいです。
完全に江戸のテーマパークですね。将軍様も4回も遊びに来ていたらしいですし。なにからなにまで規模がデカすぎてビックリしちゃいますねホント。
最終的には、明治5年に明治政府に陸軍の学校にされて、山だけが残ったようです。
進まなければいけないことだけが分かりました。ディズニーランドと捉えれば「まぁこんなもんか」と踏ん張れますね。
ということで、
着きました!!!
そして案の定短すぎる山道を登って
着いたああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!
圧倒的なスピード登頂。
これこそ低山の魅力ですが、図らずも苦労して登頂した後に得られる達成感モドキのようなものも味わえた気がします。山に辿り着いただけなのに。
西郷山に比べ、山頂の敷居はかなり狭く、
方位、水準、標高が示されている標石や
定番の案内板もありました。
ここは公園側に登頂したと申請すると「登頂証明書」が貰えるそうです。当然貰いませんでした。遠すぎるから。
また、下からは雰囲気のある教会も顔を覗かせます。
新宿区にあるのに広大な緑の敷地を有し、良い意味で「本当に新宿??」と思わされました。歴史ある居心地の良い場所です。
終わりに
今回登頂した2つの山は、学校帰りに巡ったのですが、駅からのアクセスも良く、一瞬で登れるので、かなりやりやすかったです。
私のような脆弱の方、特にヤマノススメのような何かにあてられて登山はしたいけどメンドクさいと考えている方に特にオススメできます。
一瞬で登れる点より、都内にあって駅から近いところが良いですね。
本当は愛宕山という、
ヤマノススメでも登場した低山に登りたかったのですが、山頂の店の営業時間を過ぎていたために行かない判断をしました。無念。
また、ここ以外にも都内には何か所も低い山があるので、是非探してみて下さい。
登った暁には「あ、私もまだまだいけるな……?」と確かな充足が得られることを保証します。