インターネット性善説ドラゴンのハイパー自己満足

好奇心の大義名分にさせて下さい。

自由のない散歩は面白いのか確かめたい

 

はじめに

 

散歩が好きだ。こんなアグレッシブな表情をしているが、自由な散歩が大好きだ。

制限なく、気ままに辺りに散策する時間はすごーく生きていると感じられる。

 

言ってしまえば自由の享受が最大の利点である散歩。

そんな散歩から『自由を奪ったらどうなる?』と不意に思った。

 

たぶんだけど、面白くなくなると思う。そりゃあそうなるだろうと言いたい。

いやでも待て、ホントにそうか?

 

今回は重い腰のギアを一段上げて

『自由のない散歩は面白いのかを試してみる』

 

実践

 

レギュレーション

 

ナビは牧瀬紅莉栖(栗ご飯とカメハメ派)

『自由のない散歩』に必要モノはたった2つのみ。

 

  • マップアプリ

 

定められたルートを必要としない散歩を強制してくれる本企画うってつけのアプリ。今回は企画趣旨に沿い、

『私に見えないよう同行者に目的地を設定してもらい、画面を見ずに音声ナビに従い目的地まで歩き続ける散歩を行う』

目的を知らずに過程だけ果たすの、なんだか闇バイトを彷彿とさせますね。

 

なお使用アプリがグーグルマップではなく、キャラdeナビ(キャラクターにナビゲートしてもらえるマップアプリ)なのは完全に私の趣味。────そう、特に理由はない。

 

  • イヤホン

 

街中で音声ナビを垂れ流さないための抑止力。

公共の迷惑、いけないと思います。

 

自由のない散歩、開始

 

早朝バイト前の深夜3時の気分

2つの検証道具を携えて、スタート地点である渋谷にやってきた。

ペットが風呂を拒むときの顔をしているが、今回ばかりは許してほしい。強いられるってそういうコトだ。

 

え、これ10キロ以上歩かされる?の表情

撮影を手伝ってくれる友人にスマホを手渡し、ナビの目的地を定めてもらう。

暗黒微笑を浮かべながら操作をしているのだが、大丈夫かなこれ。

 

出発!!

目的地も決めてもらい、画面も消したので準備は完了。

渋谷区の魂の叫びをバックに、いざ出発。

 

不自由ゆえの選択肢

 

『自由のない散歩』といういらなすぎるフォーマット

なんと、出発してから10歩も歩かずに問題が発生。

新たなフォーマットを作り出す開拓者はいつの時代大変と言われるのも頷ける波乱さをこの身に刻まされた。

 

ナビを務めるのはシュタインズゲートのキャラクター『牧瀬紅莉栖』

ナビから道の指示がこない。

普通マップを見つつ歩き、ナビがその補足をするワケなので、当然っちゃあ当然かもしれない。

 

普通の交差点だったらせいぜい3分の1くらいで当たりのルートを引けるから良いのだが、なにしろここは渋谷のスクランブル交差点。

道が多すぎるため、手当たり次第に突っ込まなきゃ散歩が始まりすらしなさそうだが……

 

会話ログ

明治神宮方面に適当に進んだらナビが始まった。始まるんかい。

どうやら一発で当たりを引いたみたいだ。

 

かっちょいい

そんで、始まってしまえばこっちのモノ。

ジョジョ6部で弱体化してても承太郎は承太郎であったように。自由が盗られ、パワーダウンしてるとはいっても散歩は散歩なのだ。

 

『公衆の面前で輸送されているゴジラ

 

おもしろすぎる

『股を開きながら上方向に気攻弾を放つピクトグラムなど、面白いモノを見ながら気ままに歩みを進める。

 

そして、またナビからの指示がこずに路頭に迷う。

これはアレなのだろうか。『指示がなくても自分で考えて行動しろよー?』的なアレなのだろうか。

 

ナビに従うのはダサい。これからはナビに試される時代。

 

 

許されざる停止

 

仕方ないので最後の指示通り無理くり前進していると、なにやら美味しそうなクレープ屋さんを発見。

 

普段見ない店を見つけ、ふらっと自由に立ち寄れるのも散歩の楽しいポイント。

皆さんはこの笑顔を前に買わない理由を挙げられますか……?

 

挙げられた。それもめちゃめちゃに。

どうやら立ち止まるとナビの催促が加速するようで、アルティメットにせわしない。

好きなキャラをナビにしたのは正解だったかもしれない。

 

ナビにせかされてクレープをかっこみ、膨れた腹で明治通りを抜けること約5分。

なにやら散歩ってカンジの雰囲気の良い道に入る。

 

なんだか散歩の具現化みたいな景色。

言葉にはできないけど、曖昧な好きなを感じられる時間が散歩でもあると思う。

 

そして良くないハズがない神社も発見。いいこと続いだなオイ!!

散歩と神社は切っても切り離せない。違いますか?

 

やっぱりか。

なんだかイヤな予感はしていたが、案の定催促が始まった。マタピネダオラ。

 

散歩が現代社会の対義語であることはあまりにも有名。

散歩の主成分を抜き取った今回の散歩、停滞が許されない現代社会そのものを表しているのかもしれない。

 

 

曖昧なルート

 

慣れとは怖いもので、途切れつつも確かに定期的に届くナビの指示への反応が『焦燥感』から『安心感』に変わりかけたタイミング、またもやその時に問題は発生した。

 

妙だな……

300m以上歩いても右方向の道が見えてこない……?

 

与り知らないところで段々と歯車が狂い始めてきた感覚、ヒシヒシと感じます。

 

そしていよいよナビがルートを指示してこなくなる。

 

しかし、『自由のない散歩』を実現させたくばナビに従うのは必定。完全な上下関係にあるワケになる。

 

よって、最後に出された指示に従い、ひたすらに前進するしかない

これで青森とか九州とかついたら責任取ってくれるのかな、牧瀬紅莉栖。

 

引き続き面白スポットを探しつつ進む。

 

ナビをやめても停滞したら皮肉るんかい!!!

 

このナビ、本企画の痒い所に手が届き過ぎる。

 

 

東雲の海に沈む

 

最高の天気、最高の気候、最高の景色、これ以上ない散歩日和。

だのに、本当の意味で終わりが見えない。

 

最高の時間っていつまでも続けばいいってモンじゃない。

楽しい食べ放題も満腹になれば終わりたくなるし、森羅万象同じことが言える。端的に換言すれば『潮時』ってものがある。

 

『無限に続けられる』はすべて詐欺です。

 

彼方へ

自由がないってことは目的達成まで終わる選択肢もないということ。

 

──────つまり

 

5限の出席はおいてきた。

死ぬまでやろう、ってハナシ

 

東京を直線のみで歩き続ける覚悟はできた。

『散歩界の香車とその身が歴史に刻まれるまで歩き続ける覚悟。

 

覚悟の乗った足で銀座を通過。

完全に巻き沿いを食らった撮影協力の友人を連れ、ひたむきに前へと進む。

 

コメダも……無視して進む。

ホントはちょっと入りたかった。

 

そして勝どき橋を通り過ぎ、なんとなくぼぅっと橋を眺める。

勝どき橋、なんだかすごく好きだ。

 

その間に、鮮やかなまでの不意打ちを喰らった。

 

覚悟決めた矢先に!?

 

目的地の発表は実質的な強制終了を意味する。

ゆっくりの打ち切り系動画作成者に音速で取り上げられてもおかしくない程の、雑な〆。

 

自由を、さもなくば死を

どうやらこのまま進んでたら遠くない未来、東雲の海に沈んでたらしい。

パトリック・ヘンリーの詩みたいな最期、散歩で迎えなくてよかった。

 

ここでスマホ解禁。目的地を確認できることに。

本当にどこなのだろう……

 

……??

 

高田馬場のカラオケ……!?

 

笑っちゃった、そんなことある??

 

目的地からここまで10キロ離れてる…!!

 

最終到達地点は渋谷から約8キロ離れた勝どき橋。

まさかの明治神宮の時点で間違えていたという。

 

ここ

おそらく、

原因は二股の道で『まっすぐ』の指示を勘違いして進んでしまったことだろうか。

 

こんなうまくいかないことあるんだ。

 

渋谷からここまでの歩行距離はだいたい12キロくらいだった。

そして突然襲い来る波の裁きを受け、今回はここで終了と運びとなった。

 

結論

 

結論としては、

『自由のない散歩にも確実に十分な面白さがあった』

 

初見の新鮮味を抜きにしても、

指示される予想できないルートで自分では普段通りそうにない道を通ったり、新たな発見ができるのは大分楽しかった。

 

普段の散歩をYouTubeのあなたへのオススメにあがる動画』と例えたら、

今回の自由のない散歩はYouTubeの全く知らない界隈のゆっくり解説動画』という感じ。

興味もなく見慣れないけど面白いのは確か、みたいな。

 

あと、ナビに翻弄されるのもまぁ面白い。

まず『ナビに翻弄される』って字面がもう面白いもんな。

ナビが翻弄する使い手を助けるんじゃないんかい。

 

フンパツして築地で海鮮丼食って帰った

普通の散歩がコスト3で面白さが5出せて、

今回の散歩はコスト7で面白さが6出せる。

 

普通の散歩の方がコスパ、いいかもしれない。