始めに
陽気なる逃亡者たる皆さん、こんばんは。
インターネット性善説ドラゴンと申します。
突然ですが、皆さんは月を見るのはお好きでしょうか?
私はとても好きです。心身共に疲れ切った帰路で月を眺めて心を落ち着けたりと、月にはよくお世話になっていました。
しかし最近、だんだんと視力が落ちてきたせいか
悲しいかな、ギリギリまで目を凝らさないとハッキリと見えなくなってきてしまいました。
昔はこれほどまでに鮮明に見えた月が
今私の視界上ではただのぼやけた光の玉に成り下がりました。どげんかせんといかん。
このままではいけませんね、何としてでもまた美しい月を拝みたい。
そこでです、皆さんは『水月』とは何かをご存じでしょうか?
鏡花水月や松風水月などハチャメチャにカッコいい熟語で多く使われているイメージがありますが、
ここでは水面に映る月影のことを指します。
地上から月までの距離はなんと約384,400 kmもあるので、引き寄せて鮮明に見ることは叶いませんが、水月ならば近くで見ることができる。
よって
『水月でならば肉眼で美しい月が見れるのではないか』
必死になった私はこのような考えに至りました。望み薄ではありますが、さっそく試していきます。
事前準備
まずは水月を見るために必要なモノを揃えます。
まずは、近くにあった百円ショップで
① 桶を置く土台(上面が平らで高さもあるバスチェアが至高)
② 風呂桶(今回のメイン、これに水を入れて月を映す)
③ 桜の花びら(オシャレで浮かせる、月には花でしょ)
④ 折りたたみ椅子(月の反射が見える位置に設置する)
の4点を購入。本来、湖やらの水場で見るはずの水月をお風呂セットで楽しもうというのはなんとも間が抜けますが、これが最善択なハズです。
バスチェアがなんと500円製品で、これより安いバスチェアがないか必死に探したのですが、他は子供用の小さすぎるモノしかなかったので、しぶしぶ購入を決意しました。
100均で欲しいモノが500円製品だったときの、高いから質もいいだろうという安心感とやっぱり高いから買いたくないという絶望感が同時に来る感覚は何なのでしょうね。
やってみる
では、できるか試していきます。
実行日は満月の夜です。
水を汲んで
『月を映す風呂桶を用意します』
また、今回海や川、湖に移動して水月を見なかった理由としては
① 場所を限定せずにどこでも見れるようにしたいため
② 水の流れが激しく、上手く映らない懸念があるため
③ あまり遠くに行きたくなかったため
という3点からで、
身の回りにあるお風呂セットを使用したワケも上記した理由に繋がり、安定してどこででも簡易的に楽しみたいという目的から成ります。
お次は、上の画像ように『桜の花びらを浮かせます』
必要ないと言われたらそれまでですが、私はあったら素敵だなと思い購入しました。
素敵、ですよね……?
風呂桶の準備ができたので、次は『水桶の配置場所を決めます』
この作業の注意点として、月以外の強い光源が入り込まないように気を配ることが挙げられます。
ここでは、街灯が地元のボクサーの夜の練習場になるほどに画像奥の街灯が強い光を発していたので、遮るために石垣で隠れる所に配置しました。
最後に、『風呂桶に映る月が見える位置を探します』
この時点の私は今になって怖気づき、
「本当に見えるのか……? ホントに……?」を脳内でリフレインし続けていました。情けねぇ。
屈んだり、近づいたり、遠のいたりしながら月が見える位置を探します。
……本当に思い描いてる通りに都合よく成功するのでしょうか?
ツツ……!?
(成功)するんかい
風呂桶の中に月が浮かび、桜の花びらのスキマに月明かりがさして木漏れ日のようになっていますね。
筆舌に尽くし難い美しさです。
もし発見できたとしたら、
喜びが爆発して『スマブラの解禁キャラを見る海外の反応』みたいになるかと想定していましたが、
実際はあまりの美しさから、『スン……』と言葉を失ってしまいました。
本当に美しいですね。
風がやんでいるときは鮮明に見れますし、この時点で本来の目的は達成できたのですが、それ以上に水に映る月が綺麗すぎて本懐を忘れかけている自分がいました。
少し風が吹くと、花びらのスキマに光が吸い込まれていき、無数の光の粒が確認できます。これもとても綺麗でした。
結果として花びらを浮かせたのは正解でしたね。
月が映る位置に椅子を置いたら、くつろぐ用意は完了です。
甘味を用意し
水月を見ながら食べたり
見ながら音楽を聴きたり
月が雲に隠れたときは本を読んだりと、ゆっくりと楽しい時を送ります。
素晴らしい時間でした。
風呂桶の水月で美しい月は見れます。
終わりに
結論としては、
『水月でならば肉眼で美しい月が見れるが、それ以上に水月自体が美しい』
と出ました。
弱点としましては、冬場に実行に移す場合は防寒対策をしないと風邪をひくことですね。現にお腹が冷えて帰りの電車でハライタに襲われました。今度から気を付けることにします。
でも美しい水月が見れたのでチャラですねチャラ。
では、重すぎる道具を持って帰路につくことにします。それでは。